ドイツでは、夏至をSommeranfang(ゾンマーアンファング)と呼び、直訳すると夏の始まりという意味になります。夏至祭では、屋台が出てビールや食事を楽しみながら、大きな焚火を囲んで太陽の恵みを祝う風習があります。また、北欧での夏至祭はクリスマスの次、あるいはそれと同等なくらいに人々が大切にしてきた行事です。
日本では、夏至の”日”という考え方の他に、“期間”という考え方もあり、6月下旬から7月初旬までの2週間くらいを指すこともあります。日本で夏至を祝う風習は広まっていませんが、一年で一番昼の長い時期に、友人や家族でテーブルを囲んでホームパーティーを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
夕暮れには照明を落とし、キャンドルを灯して、太陽光を存分に楽しむのも素敵ですね。いつもよりちょっと素敵な演出をするだけで、日常が非日常に変わります。季節の花を活けて、美味しい料理、ワインを用意して、とパーティーのプロセスも楽しみながら夏の始まりを迎えてみませんか。
料理や飲み物を何にしようか考えるひとときは、楽しい反面、悩むこともあります。
ワインと料理のマリアージュは、プロではない私たちは、そんなに神経質になることはありません。魚やあっさりしたお料理には白。お肉料理なら赤。などの大らかなくくりで良いと思います。よく言われるのは、その土地のお料理にその土地のワインを合わせるとうまくいく。ということです。
また、最近はノンアルコールのワインでも美味しいものがあるので、お酒の苦手な方にはノンアルコールワインを用意しておくのもおすすめです。
今回ご紹介したいのは、前菜におすすめの一品「グージェール」です。
シュー生地におろしチーズを焼きこんだ小さなおつまみです。
焼き立てを出せば、ひとつ、またひとつとあっという間になくなることでしょう。
このグージェールは、もともとはシュー生地ですから、チーズを入れないバージョンを作って食後のデザートに出すことも出来ます。
砂糖をのせて焼いたものは「シューケット」と呼ばれていて、ちょっとしたおやつにぴったりです。
グージェール
シューケット
【材料】 直径4cm 約40個分
水 125g
食塩不使用バター 60g
塩 ひとつまみ(0.5 g)
砂糖 ふたつまみ(1.5g)
全卵 2個~3個
薄力粉 75g
コンテチーズ 60g
※シューケットの場合は、チーズの代わりに、
パールシュガー 40g
【準備】
コンテチーズをチーズおろしなどですりおろしておく。卵を常温にだしておく。
【作り方】
1. 鍋に、水、塩、砂糖、バターを入れて火にかける。
バターが溶けて沸騰したら火からおろす。
2. 1の鍋に、薄力粉をふるいながら入れる。ヘラで混ぜてひとまとまりにする。
3. 2の鍋を再び火にかけて、ヘラで手早く1分ほど混ぜて、粉が水分を吸って粘り気のある状態にする。
4. 火からおろし、溶き卵を1個分入れてよく混ぜる。
2個目からは、生地の様子をみながら少しずつ混ぜる。
ヘラですくって生地を落とすと、まとまってゆっくり落ち、途中でぽとりと切れるくらいの固さにする。
5. すりおろしたチーズの3分の2くらいを加えて混ぜる。
(シューケットの場合は何も入れない)
5. 生地を1cmの丸口金をつけた絞り出し袋に入れ、オーブンシートを敷いた天板に直径3cmくらいの円形に絞り出す。
絞り出し袋がなければスプーンですくって、落としても良い。
6. 残った溶き卵、または水を指につけて、形を整えて、残りのチーズをのせる。
シューケットの場合は、パールシュガーをのせる。200℃のオーブンで16分ほど焼く。
7. 焼き立てが一番美味しいです。
冷めたら、トースターなどで温めてお召し上がりください。
【ポイント】
シュー生地を上手に膨らませるには、ちょっとしたコツがあります。
生地に火を入れる時間によって、加える卵の量が変わってきます。
卵を一度に入れず、少しずついれて、目安の固さにしましょう。
何度か作るとコツがつかめると思います。
もしパーティーに呼ばれたら、手土産にチーズプラトーはいかがでしょうか。
チーズショップに頼めば、一度に色々な味を楽しめて見た目も華やかな盛り合わせを作ってくれます。
今回は、デザート系、青カビ系、クリーム系を楽しめるバラエティに富んだチーズをセレクトしました。
写真はミモレット、デリスパパイヤ、カマンベールパストリゼ、フルムダンベールの詰め合わせ、アクセントにレーズンを添えて。
パーティーに集う人それぞれのお気に入りを想像して、組み合わせを考えるのも楽しいと思います。
北欧の夏至祭では、女性が季節の野花を摘み花かんむりを作って髪を飾るそうです。
そんな花かんむりをイメージして、テーブルに飾った紫陽花の葉をお皿に添えることで、お料理を花に見立てて、テーブルにいくつもの紫陽花が咲いたように表現してみました。
季節の花をめでながら、ワイン片手に過ごすひとときが、心地よい素敵な時間になりますように。