12月になると ドイツでは クリスマスまでの4週間を、シュトーレンを少しずつ食べながら心待ちにする習慣が今でも続いています。
ここ数年のうちに、日本でもシュトーレンを売っているお店が増えて、贈り物にしたり、自分へのご褒美にしたり、様々に楽しまれていると思います。
クリスマスの発酵菓子といえば、シュトーレンの他にも イタリアではパネトーネやパンドーロ、フランスではベラベッカやパンデピスがあります。
ドイツとの国境にある、フランスのアルザス地方では、マナラというパンが有名です。12月6日のサン・ニコラの日を祝って食べる菓子パンです。見た目がとても可愛らしいので、プレゼントにしても喜ばれそうです。
材料はとてもシンプル。
作り方は バターの量が多いため こねるのが少し大変ですが、そんなに難しくありません。
焼きあがった形はそれぞれで、ひとつとして同じものはありません。どんな表情に焼きあがるのか、オーブンを開けるまでのワクワク感がたまりません。焼き立ての、ほんのり温かいパンを口に含むと、ふわふわの食感とバターの香りが口いっぱいに広がるのをお楽しみいただけます。
同じパン生地から、クグロフや、リースパンへのアレンジもご紹介します。出来上がったパンを箱に詰めて、プレゼントにしても喜ばれるでしょう。ぜひ、手作りパンで心温まるひとときをお過ごしください。
アルザス地方で食べられるクリスマスシーズンを彩る菓子パン。
マナラとは「小さな男の子」という意味です。可愛らしい見た目が、心を温かくしてくれます。
【材料】 8個分
強力粉 200g
インスタントドライイースト 2g
砂糖 20g
塩 4g
水 64g
全卵 72g
食塩不使用バター 56g
チョコチップ 10g
※表面に塗る卵は、全卵2個(約100g)から72gをとった残りを使う。
【準備】
水は30℃くらいに温める。卵とバターは室温に戻す。
【作り方】
1. ボウルに強力粉を入れ、インスタントドライイースト、砂糖、塩を強力粉の上にのせて、むらなく混ぜる。
2. 1のボウルに卵と水を入れ、カードで混ぜて、まとまったら、調理台にだして、こねる。
3. 弾力がでてきたら、生地をつかんで持ち上げて、台にたたきつけるという作業を30回ほど繰り返す。
4. 生地をひろげて、バターをちぎってのせて、全体にゆきわたるようにこねる。
5. バターが全体になじんだら、ボウルにいれて、ラップをして、30℃くらいのところで、1時間発酵させる。
6. ボウルから生地を出し、8等分(1個約50g)して、かるく丸めて、乾燥しないように、濡れたクロスをかけて10分休ませる。
7. 手のひらで生地をはさんで転がして、俵のような棒状にする。
8. 生地を台の上にのせ、棒状の端から1/3くらいのところで、小指の側面を使って前後にころがして、くびれを作る。生地が台につきやすいので、打ち粉をしながら作業する。
9. 上から軽く押して、少し平たくして、手や足になるように、カードで切り込みを入れる。
10. オーブンシートをしいた天板にのせ、表面に溶き卵を塗る。
11. 30℃くらいのところで、30~50分くらい、生地が2倍になるのを目安に発酵させる。
12. 卵が乾いていたら、再度卵を塗り、目や鼻になる部分にチョコチップをのせる。洋服部分にもボタンになるように、チョコチップをのせる。
13. 200℃で12~14分ほど焼く。焼きがったら網にのせて冷ます。
※写真は、焼きあがってから、ホワイトチョコレートを溶かして、足の部分につけて、アラザンをかけたものになります。
マナラと同じ生地で、三つ編みパンを作り、それを輪にして、リースに見立てます。
【材料】
マナラの材料から、チョコチップを除いた全量。
この分量で、直径15センチほどのリースが2つ出来ます。
【作り方】
1~5まで、マナラと同じ。
6. ボウルから生地を出し、6等分(1個約66g)して、かるく丸めて、乾燥しないように、濡れたクロスをかけて10分休ませる。
7. 手のひらで生地をはさんでころがし、棒状にする。さらに台の上でころがして、長さ40~45cmの棒状にする。これを6本作る。生地が台につきやすいので、打ち粉をしながら作業する。
8. 3本一組で、三つ編みにする。端どうしをつなげて輪にする。
9. 手で輪を広げて形を整えて、オーブンシートをしいた天板にのせ、表面に溶き卵を塗る。
10. 30℃くらいのところで、30~50分くらい、生地が2倍になるのを目安に発酵させる。
11.卵が乾いていたら、再度卵を塗り、200℃で15~18分ほど焼く。焼きあがったら網にのせて冷ます。
※写真は、焼きあがってから、ホワイトチョコレートをかけて、ドライフルーツとアラザンで飾ったものになります。
マナラと同じ生地に、ドライフルーツを混ぜ込み、クグロフ型に入れて焼きあげます。
仕上げに粉砂糖をふって、美しく仕上げれば、プレゼントにもぴったりです。
【材料】
マナラの材料から、チョコチップを除いた全量。
この分量で、直径15~18センチのクグロフ型1台分になります。
お好みでラム酒につけたレーズン、オレンジピール、クランベリーなど、合わせて60gほど用意します。
粉砂糖もお好みで、10gほど用意します。
【作り方】
1~5まで、マナラと同じ。
6. ボウルから生地を出し、かるく丸めて、乾燥しないように、濡れたクロスをかけて10分休ませる。
7. 手のひらで生地を押して、平らに広げ、ドライフルーツをのせて、丸めて閉じる。
8. クグロフ型に、バターをたっぷり塗る。
9. 生地の中心に指で穴をあけ、クグロフ型に入れる。表面を押して、中の空気を抜く。
10. 30℃くらいのところで30~40分発酵させる。
11. 200℃で25分焼く。すぐに型から出し、網にのせて冷ます。冷めてから粉糖をふる。
※写真は、焼きあがってから、ホワイトチョコレートをかけて、ドライフルーツを飾ったものになります。
ドイツといえば クリスマスマーケットが有名ですが、食べ物の他にもクリスマスを楽しみに待つ文化がたくさんあります。
今冬は、かわいいマナラを作りながらクリスマスを迎える準備をしてみてはいかがでしょうか。